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漢方健康日記 第286回 「糖尿病の漢方養生法」のお話

漢方健康日記原稿です。
実際の放送とは違いがある場合があります。

アナ: 漢方健康日記。このコーナーは漢方を通じて皆様の健康に奉仕する長崎中医薬研究会がお送りします。
普段の食生活や日頃の生活習慣を見つめなおして、健康的な暮らしのお手伝いをしようというものです。
担当は長崎市の小ヶ倉薬品・円入利徳(えんにゅうとしのり)さんです。宜しくお願いします。さて今日のお話は? 

円入:はい、今日は、「糖尿病の漢方養生法」のお話です。2012年の国の調査で「糖尿病が強く疑われる人」・・・950万人 「糖尿病の可能性を否定できない人」・・・1,100万人
合計2,050万人となり、国民の5人に1人が糖尿病あるいはその予備軍と言われています。
ところが4割の人がほとんど治療を受けていないそうです。なぜなら糖尿病の初期には全くと言っていいほど自覚症状が無いからと言われています。ですが、糖尿病が、いつの間にか治ってしまうという事はありません。
逆に気づかないうちに悪化し気が付いた時には重い合併症を併発しているというケースもあるようです。

アナ:国民の5人に1人、糖尿病の方、そんなにいらっしゃるんですか。

円入:はい、糖尿病の自覚症状の例です。
た・・・体重が減る。初期は太ることあり。
ち・・・ちかごろ、のどが渇き、水をたくさん飲む。
つ・・・疲れやすい。体がだるい。
て・・・手足のシビレ
と・・・トイレが近い。特に夜間多尿。

アナ:糖尿病ってどうしてなるのでしょうか?

円入:はい、漢方の立場から見た糖尿病の原因です。

1.不適切な飲食
 長い年数にわたって、甘い物、脂っこい物、アルコール類を取り過ぎると、
胃腸や膵臓の消化能力を超えてしまい、消化出来なかったエネルギーが熱となり、陰(身体の潤い)を消耗し陰虚になります。
2.ストレス
 過度のストレスを受け続けていると、気が滞り、熱を発して陰(体の潤い)を消耗し陰虚になります。
 
3.過労
過労は、体内を潤して熱を冷ます陰液を消耗させて陰虚化熱となります。

アナ:不適切な飲食、過度のストレス、過労で糖尿病に近づくのですね。漢方で見るとどんな体質なのでしょう?

円入:漢方から見た糖尿病の体質はいずれも「陰虚」(潤い不足)が大元にあり、潤す水が少ないために冷やすことが出来ず、余ってしまった熱が定着します。
 最初は気陰両虚、進むと血流の勢いがなくなり、血液がドロドロで流れにくくなる「陰虚お血」の状態です。
少しづつ血管内壁が障害を受け、糖尿病の慢性合併症を引き起こします。
糖尿病が怖いのは、この合併症が起こるからです。まずは血流障害がおこりやすくなります。漢方では、血を動かすのは、気というエネルギーの力と考えますので気が不足すると血流が滞りやすくなります。
 さらに陰という体内の水分が不足して血液が濃縮されれば、血がどろどろして流れにくくなります。この血液の流れが悪い状態をお血と呼んでいます。このお血プラス気陰両虚が糖尿病で一番多い病態です。
  
アナ:お血プラス気陰両虚? 漢方ではどのように対応するのですか?

円入:はい、気陰両虚は、疲れやすい。体がだるい状態も含みます。
主に「麦味参(ばくみさん)」という漢方処方が用いられます。気というエネルギーを補ながら、体内の水分を補い、肌や血液を潤す働きがあります。

アナ:お血には?

円入:はい、全身の血液の流れが滞る状態を漢方では、お血と言います。そのお血が極度に進むと、内臓や組織は機能しなくなります。
例えば、3大合併症の1つである糖尿病性腎症。これは腎臓で血液を濾過する糸球体の毛細血管が血流障害で硬くなったものです。硬くなった組織は元には戻らず、進行して人工透析になる人が年間1万人以上とも言われます。

アナ:人工透析とは怖いですね。他にも合併症は有りますか?

円入:はい。一番怖いのは目です。糖尿病性網膜症は、カメラで言えばフィルムに当たる目の網膜に酸素や栄養を送っている毛細血管が詰まったり破れたりして視力障害を起こすものです。その他にも糖尿病性神経障害があります。抹消神経系の細胞が毛細血管の血流障害で異常をきたすもので、足のしびれなどの知覚障害、運動障害を起こします。

アナ:お血が毛細血管だけでなく太い血管でも発生した場合は?

円入:心筋梗塞や脳梗塞の誘発につながります。ただその背景には、高血圧、脂質異常症、や肥満が関係していることが多いと言われます。

アナ:それではお血にはどんな漢方薬が使われますか?

円入:代表的ものに丹参製剤があります。丹参製剤は、血液の汚れを浄化したり、血液の粘り気を低下させたり、毛細血管を広げて太い血管から末梢の血管までの血流を回復する効果があります。
漢方では、合併症にならないようにあるいは合併症が改善されるように血管の障害を予防して血流を助けることを目指しています。
詳しくはお近くのパンダマークのお店でご相談下さい。

アナ:ありがとうございました。次回は9月27日長崎市の朱雀薬局の三宅さんです。
   健康のご相談は店頭のパンダが目印の長崎中医薬研究会
   会員店へどうぞ。詳しくは長崎中医薬研究会ホームページをご覧ください。
   このコーナーは長崎中医薬研究会がお送りしました。

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